祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
奢れる者も久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き人もついには滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ
平家物語はこのような一節から始まるので、沙羅双樹という名前を知っている人が老若男女問わずいるようです。この沙羅双樹は、歴史上のブッダが入滅された場所に対で生えていたサーラの木のことです。インド原産の熱帯樹(フタバガキ科常緑樹)ですから日本では育ちません。日本で沙羅双樹と言われているものは白い花が夏の前頃に咲く夏椿(ツバキ科落葉樹)のことです。
掲載画像はブッダ入滅の地、インド・クシナガラの涅槃堂前に植えている沙羅双樹です。伝説ではブッダの入滅と同時に沙羅双樹の花が一斉に咲き、すぐに花を落とし、ブッダの入滅を飾ったと言われます。なお、三大聖木の一つです。
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