【仏教用語/人物集 索引】

思いやり

投稿日:2018年6月20日 更新日:

思いやりとは、もしかしたら人それぞれ違う認識があるかもしれません。相手を思いやっているつもりで、何かを持って来たり、何かを助言したり、積極的にそうすることで逆に印象を悪くする人がいます。この場合の思いやっているつもりの人は、自分の考えだけで判断しています。

目の前の事実を見ずに、自分の頭の中の相手を見て判断しています。目の前では相手が「そんなぁ!?いいです、いいです」と断っているとしても、自分の頭の中で思いついたら止まりません。そして、思いやりを果たして自己満足します。それで、相手からお礼が無かったら、機嫌が悪くなったり、余計なことを繰り返したり、そんなことでは人間関係が上手くいきません。

実際は、不特定多数の人から親切にされたいと思っていません。信頼できる人の思いやりが一番です。その第一歩は、相手を知ることです。自分の頭の中の相手ではなく、誰かから聞いた相手ではなく、昨日そのようであった相手ではなく、今、目の前にいる相手を知ることです。

相手は、手伝って欲しくないと思うこともあります。一人でやりたいと思うこともあります。そんな時に無理に逆のことをされたら信頼出来ません。そうならないように、聞けばいいのです。返事を聞いたら、自分の考えや思いを入れずに返事の通りにします。言葉は完全なものではないので、言葉にならない部分もあります。そこの気づきがあれば尚良いでしょう。

意見を聞いた時、その時、相手は気分が乗らないかもしれません。ちょっとしてから、気が変わるかもしれません。そういう時にこそ、文句を言わずに動けるのであれば、自分の考えや思いから離れたことになります。相手が求めている時に思いやりの真価が見えます。

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