仏教の分布について

投稿日:2005年2月19日 更新日:

日本は仏教国であるということが一般的にはいわれています。しかし、「信仰はないです」「先祖は大切にしますが…」といった意見もよく耳にします。さて、本当に日本は仏教国といえるのでしょうか?

お盆やお彼岸にはお墓参りに行き、仏教的行事はするものの、仏教とかと聞かれれば首をかしげる人が多いのが現実です。新年が明けて、正月三箇日に神社仏閣にお参りに行きますが、神社なのかお寺なのか構わずにお参りできてしまうのも日本人の特徴でしょう。良くいえば寛容的な民族なのです。

日本には元々、仏教も神道もなく、山の神、海の神といった自然信仰が主なものでした。日本の統一と共にその宗教を国が行うようになり、体系化されましたが、具具体的な教えがなかったので大陸から輸入された仏教という教えによって国を治めることを目指しました。元々あった神は徐々に仏教に取り込まれ、仏様と同じように信仰の対象として残りました。仏教が民間にも広がるにつれ、仏教は生活になくてはならないものとなっていったのです。明治時代、神仏分離令が出るまではそのようでした。その前後、明治維新により欧米化されていく日本は長く培ってきた仏教文化をあっさりと捨ててしまいます。文化や生活は引き継ぐ人がいなければ忘れ去られるものです。大切なものを忘れてはいけません。

第二次世界大戦中、スリランカでは首都コロンボなどにイギリスの海軍基地があり、日本軍による空襲があったようです。戦後、昭和26年9月に開催された、サンフランシスコ対日講和会議では、後のJ.R.ジャヤワルデネ大統領が、演説で仏教経典を引用して「憎悪は、憎悪によって止むことはなく、自愛によって止む」と述べ、参加国に対し日本に対する敵意を捨て、賠償を求めず、国際礼儀に沿って、日本を受け入れるべきだと主張し、スリランカは日本に対して賠償を求めなかったという話もあります。仏教の信仰とは表向きだけではなく、損得勘定や恨み辛みに流されるのではなく、このように自分の生き方全てに仏教を当てはめることができなければならないことなのでしょう。

仏教の教えを実施しているかどうかは別として、各大陸の仏教徒数のデータがあります。

<各大陸の仏教徒数>
アジア : 4億人
南北アメリカ : 360万人
ヨーロッパ : 180万人
オセアニア : 40万人
アフリカ : 8万人

仏教は世界宗教と呼ばれていますが、発祥地であるインドがあるアジアを中心に現在は分布しています。特に東アジアや東南アジアに片寄って分布していますが、発祥地であるインドではほとんど仏教徒がいなくなっています。インドでは日本の神と仏教が合わさっていった様に、仏教がヒンドゥ教の一部に合わさっていった歴史があります。これは諸行無常という仏教の教えそのものだったかもしれません…。次に仏教徒が1千万人以上いる国は以下の通りです。

<仏教徒が1千万人以上いる国>
中国, 1億人
日本, 9千万人
タイ, 6千万人
ベトナム, 4千万人
ミャンマー, 3800万人
スリランカ, 1400万人
カンボジア, 1200万人
韓国, 1100万人

日本は中国に次いで2番目に仏教徒が多い国ということになっています。9千万人というのはどう考えても多すぎると思いますが、統計上は正しいということにしておきましょう。その一人一人の意識のなかでは、仏教徒だという自覚を持つ人は少ないのではなかかと考えます。現在、仏教の中身を引きつぐことが大変難しくなっています。それは一般的な文化の中に仏教が小さい立場しか持っていないからです。仏教が活きている文化は特別なものとなっています。表面だけを見ていて時代の変化に合わせて変わらなかったからです。これからの仏教の分布はどうなっていくでしょうか。仏教国である多くの発展途上国のこれからにも注目しながら見守りたいと思います。

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